①自分が正しいと思う方に勝手に解釈する
事実を「そのまま」受け取れない。
なぜならバイアスがあるから。
バイアスがかかるのは、確固たる信条があるときだけではない。信号の左の色を青だと思うように(実際には青くない)、「思い入れのないとき」にもバイアスが発生する。
必ず自分が持つ知識に照らし合わせて解釈するため、バイアスは避けられない。
解決策→自分と相手の意見が異なる時、相手は相手の見え方をしているだけだ、逆に自分は自分の見え方をしているという単純な事実に気がつくこと。
そして相手を知るためには、「相手が何を知っているか」を知る必要がある。
これは簡単なことではない。
思考の背景となる経験や知識は、その人自身ですら把握できていない。それを他者が理解することは困難だ。
日常生活で一人ひとりに対して出来ることでは到底ない。
ただ営業の仕事であれば、お客さんに(可能な限り)経験や知識を聞き出していくことで、納得できる提案に近づけることができる。
こちらが良いと思って提案しても全く刺さらないときに、どんなバイアスがあるのか、そのために相手が何を経験し、知っているのかを質問して聞き出していくこと。
相手に意味のある質問と思ってもらう必要があるし、聞き方は工夫が必要だ。むっずい。
②確実性と不確実性
いますぐもらえる3万円と、半年後にもらえる3万5000円。
ほとんどの人が前者を選ぶ。
半年後にもらえる3万円と、1年後にもらえる3万5000円。
これなら後者を選ぶ。
「いますぐ」には確実性があるからだ。
反対に、不確実性を人は避けたがる。
もう一つの例。
一方は100%の確率で1億円もらえる。
もう一方は89%1億円。10%5億円。1%何も無し。
ほぼ間違いなく前者を選ぶ。
1%のくじに当選することなんてほぼないと分かるはずなのに。
これほどまでに、人は不確実性を嫌う。
時間の隔たりは、不確実性を予感させる。
未来のことは距離を感じるので、現実的に考えられない。つまり合理的に考えられない。逆に、現実的に考えられないからこそ、楽観的になりすぎて見通しを誤ってしまったりする。