小論文に必要な「主張」って何さ?
「小論文では主張を書けといわれるけど、何を書いたら主張になるのか分からない」
「主張を書いたつもりなのに、先生の添削で『これは感想だよ』と言われて泣きそうになった」
これらはまさに僕自身が高校時代に悩んでいたことです。
要は、小論文って大前提として主張を書かなきゃいけないんだけど、
そもそも「主張とは何か」が分からず、はき違えたまま書いてしまい、
「頑張って書いているのに小論文として全然評価されない」
「それなのに『主張とは何か』について誰も説明してくれない」
という、悲しい状況に陥っていました。(いや、主張とはについて誰かに教えてもらってたのかもしれないけど、僕の頭脳で理解できる説明ではありませんでした)
僕は大学受験で小論文を学び、その後塾講師として、中学3年生に小論文の指導をしたこともあります。
それらの経験から「主張って、めっちゃ分かりやすくいうと、こういうことだな」と分かってきました。
この記事では、分かったようで分かっていない「小論文における主張とは何か」について書いてみました。
結論からいうと、「~べき」「~なくてはならない」のように、とるべき行動やあるべき姿について書く(規範を示す)と、主張になります。
なぜそうなのかをしっかり説明します。
読むと「主張とは何か」が分かり、少なくとも「主張がない」という大減点をされることが無くなります。
いままで「小論文と感想文の違い」など調べてもよく分からなかった人など、迷える人にぜひ読んで欲しいです!
主張とは「規範を示すこと」である
まず、これだけ抑えてほしいです!
あるべき行動や状態(規範)を示すこと。
⇒「~べきだ」「~なくてはならない」と書く。
この理解だけで小論文の本質につながるので、高校時代の私に伝えたいくらいです。
以下、説明します!!
※普段目にしない言葉が出てくるので、ちょっとだけ難しいですが、5分で読めます!!
文を3つに分類します→「記述・評価・規範」
小論文では、様々な文をつなげて、文章を書きます(これは当たり前のことですが)。
皆さんが何げなく書いている文は、実は3つに分類されます。
- 客観的記述(善し悪しの評価を含まない客観的メッセージ)
- 評価(善し悪しの評価を含んだ主観的メッセージ)
- 規範(あるべき行動・状態・考え方を示すメッセージ) →これが主張です!
分類を知ったうえで、「いまから主張(規範)を書くぞ!」と意識して書くことが、合格小論文を書くコツです!!
以下、それぞれの説明です。
①客観的記述
善し悪しの評価を含まない客観的メッセージです。文章中の70-80%は客観的記述メッセージです。
以下、例です。
「同じ会社の製品でも、シャンプーのボトルにはギザギザがついているが、リンスのボトルにはついていないことがある。
これは高齢者、障がい者、健常者、外国人などの区別なく誰もが使いやすいユニバーサルデザインの理念に基づいている。」
このような記述は誰にとっても受け止め方が等しい客観的事実です。これは主張ではありません。
②評価
善し悪しの評価を含んだ主観的なメッセージです。
以下、例です。
「世界中で多様性が増しているなか、このようなユニバーサルデザインの商品や設計が増えることで、誰にとっても住みよい世の中になっていくはずだ。」
客観的記述をもとにした、評価を伝えています。
ここで、めちゃめちゃ大切なことがあります。
それは、「評価」は「主張にはならない」ということです・・・!!
なぜなら、「評価」=善し悪しにかかわる「主観」なので、
採点者からすると「ふ~ん、あなたがユニバーサルデザインの商品や設計が増えると良いと考えている評価は分かった。けど、それはあくまであなたの評価だし、行動しなければ何も変わらないよね。私たちはどうするべきなの(どうあるべきなの)?」
と、感じてしまいます。
実は、「これは感想だよね」と言われる小論文は、「評価」で終わっている文章です。(ここが減点になってしまうポイントです!)
誤解のないよう伝えたいですが、評価を書いちゃダメというわけではありません。
大切なのは、あなたの「評価」の先にある、じゃあ私たちはどうするべきなのか・どうあるべきなのかという「規範」を書くことです。
僕が高校時代に勘違いしていたのは、評価メッセージを書いて「主張」と思い込んでいたことです。
合格小論文を書くためには、次のように規範を書くことです。
③規範
あるべき行動や姿を示すこと。
以下、例です。
「こうしたユニバーサルデザインの商品を企業の利益と両立することは難しいため、国や自治代が企業と共同して開発や販売に取り組むべきだ。
また、私たち自身が利用者の立場から、積極的に発言し改善や整備を促していくべきだ。」
②評価との違い、分かっていただけますか。(分かりづらい方は、もう一度②の例を見てください)
②評価が「あなた個人の善し悪し」であるのに対し、
③規範は「私たちがとるべき行動・あるべき姿」について書きます。
そもそも試験として課される小論文は「社会や地球環境などに良い影響を与えられる人材か」を試しています。
そして、良い影響を与えるためには「具体的な行動を起こしたり、世の中の仕組みを変える」ことが必要です。
だから「個人的にこれは善い・好きだ」を超えて「私たちはどうするべきか・どうあるべきか」を書かなくてはいけません。
どうしたら規範を書けるかといえば、簡単で、
~べきだ
~なくてはならない
と書けばOKです。
大切なのは、このとき、主語が「私は~」ではなく、「私たちは~」になっていることです。
※もちろん、主張が一人よがりではなく、「たしかにそうだな」と、採点者が客観的に納得する形で書く必要がありますが、どうしたら「納得する形」で書けるかは、また別の記事で伝えますね。
まとめます。
小論文では「私たち」を主語にして「~べき」「~なくてはならない」という規範を示さなくてはなりません。
まだまだ知るべきことはありますが、これだけで小論文がガラッと変わります!
※補足ですが、主張(規範)は1つに絞りましょう。1つの主張を、いかに納得できる形で書けるかが勝負です。
以上です!!